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山の活動 第10回【竹細工工芸作品づくり】

山の活動 第10回【竹細工工芸作品づくり】

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 今回ご紹介するのは、高千穂町天岩戸神社門前町、手づくり体験とご案内処『天岩戸 日向屋』で催されました、藤原誠さん(74歳)、甲斐義晴さん(60歳)による、竹細工工芸作品づくりです。

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『天岩戸 日向屋』

 お二人とも日之影町在住で、日之影町竹工芸保存会会員です。日之影町では、毎月一回、竹工芸勉強会が開かれています。西臼杵郡内では、今でも竹で編んだ背負い籠、『かるい』を背負って歩く労働風景が見られ、椎茸や木の実を乾燥させるザルや、煮しめなどをいれる『しょおけ』など、日常的に竹製の道具を使っています。西臼杵郡の竹工芸の特徴は、実用的であること、その美しさだと言われています。

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ゲートボールにもかるい。便利が良い。

【へご(ひご)つくり】

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 同じ竹でも、材質は土地に寄って違う。実際、作ってみにゃ分からん。竹はいっぱいあっても、よごちょったらいかん。最近は、真っすぐな竹を見つけるのに骨折る。
 竹の善し悪しは、節が低くて、節と節との間が広くて粘り気があること。

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割く。

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へごには、皮目を使う。

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ヘゴの薄さは、0.4㎜ぐらい。

 「木六竹八」と言い、木は六月、竹は八月に伐ると良いと言われているそうです。この場合の月は、旧暦を指します。また、「木元竹裏」と言い、木は根元から上部に向かって、竹は上部から根元に向かって割くのが良いそうです。

【八寸かるい 藤原誠さん(74歳)】

 「かるい」っちゅうのは、節よけせにゃポキン、ポキン折れる。

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へごを編んでいきます。

 編み方を一つでも間違えたら物にならん。目を一つ飛ばしたら、すぐ分かる。

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お喋りしながら、でも確実に完成に近づいています。

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子どもが背負うのにちょうど良いサイズです。

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 「かるい」は縁巻きが大事。他のもんでもそうじゃが、縁が隙間なく編まれているかどうかで、作品の善し悪しが決まる。

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藁で背負い紐も作ります。

 竹細工を始めたきっかけは、13年前に日之影町で竹細工の勉強会が行われたことに参加したことから。前から、やりてぇなと思いよったし、昔、親父がやっているのを見て、俺でも出来ると思っていました。
 恐れ多くも講師が名人、廣島一夫さんだったから、これは習わにゃいかん。と、思いました。
 現在、保存会で勉強会を続けていますが、習いにくるのが熊本県や延岡市から。地元がおらん、続かんのが問題です。

【しょおけ(ジョーケ) 甲斐義晴さん(60歳)】

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「丸ぃなれ、丸ぃなれ」言いながら、作らにゃいかん。

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バーナーで炙り、柔らかくする。

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膝を基軸にてこの原理で、丸みをつける。

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竹を三本合わせて、縁をつくる。

「しょおけ」のへごの幅は、1㎜から始め、上手くなったら1.5㎜で作る。サイズは色々と作れるけど、2cm違えばずいぶん雰囲気が違ってくる。仮止めは、面倒くさいけどやっちょった方がいい、人それぞれ、やり方は違います。

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縦網は、西臼杵郡独特の技術。

 生竹じゃから、水分が抜けてくる。固定したまま、一日置きます。

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 定年退職して家におったら、友達が「暇にしちょるなら、竹細工でもしない」と、誘ってくれて、やってみたらはまりました。魅力は、物作りの楽しさもありますが、なんと言っても出来上がったときの美しさです。

【竹細工工芸作品】

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藤原さん作 しょおけ(ジョーケ)。

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甲斐さん作 小物入れ


【手づくり体験とご案内処「天岩戸 日向屋」について】

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空き店舗を活用。趣のある店内。

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レンタルバギー。

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写真、ポストカード、褌。

 手づくり体験とご案内処「天岩戸 日向屋」は、天岩戸神社門前町にあり、『西臼杵郡雇用拡大協議会地域雇用創造実現事業』の一環として、西臼杵(高千穂町・日之影町・五ヶ瀬町)の「人」・「物」・「見どころ」等の地域の隠れた魅力を発信する拠点として、平成22年に8月にオープンしました。店内には、竹細工や藁細工、褌、名所ポストーカードなどが販売されています。毎月、色んな体験イベントが催されていますので、新たな観光スポットとしても注目です。

http://www.takachihonosato.jp/others/1516.html

西臼杵郡雇用拡大協議会地域雇用創造実現事業
〒882- 1101 宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井4番地 ホリビル
電話番号:0982-72-3738
http://www.takachihonosato.jp/

(レポート 藤木哲朗)
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