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山の活動 第3回【日之影町森林セラピー・矢筈岳トロッコ道コース】

山の活動 第3回【日之影町森林セラピー・矢筈岳トロッコ道コース】

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 今回ご紹介するのは、癒しの森の案内人・佐藤令子さん(66歳)と歩く、【日之影町森林セラピー・矢筈岳トロッコ道コース】です。

『森林セラピーについて』
 「森林セラピー」とは、整備された森林環境の中で、自然が彩なす風景や香り、音色や肌触りなど、森のいのちや力を感ずることによって、私たちの心身に元気を取り戻させようとすることです。また、森林のもつ「癒し効果」を科学的に解明し、メニューの確立を進めることで、健康増進やリハビリテーションへの活用を図ることをいいます。(森林セラピー推進協議会HPより】
 実際に、国内の森林セラピーのモデルとなっている先進地ドイツでは、行政、医師、研究機関による協力体制が整えられ、社会健康保険も適用されるそうです。国が、森林セラピーを自然療法として、国民の心身の健康増進に効果があると認めてのことです。
 日之影町は、平成18年4月に、全国初、森林セラピー基地と認められ、平成19年にグランドオープン。利用者(観光客含む)の受け入れを始めました。 

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『矢筈岳トロッコ道コース』 
 今回、矢筈岳トロッコ道コースを案内してくれたのは、森林セラピー基地認定『癒しの森の案内人・佐藤令子さん(66歳)』です。
 佐藤さんは、立ち上げ当初から携わっていて、矢筈岳トロッコ道コース(全長7㎞)だけでも、年間60回以上は歩くと言う、超ベテランです。

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当日は、春らしい花曇。少し肌寒さを感じます。

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 矢筈岳トロッコ道は、昭和27年より、昭和37年3月29日までのおよそ十年間、営林署が木材を運び出すために使用した運搬用トロッコ道跡地を整備したコースです。距離7㎞、所要時間3時間。起点から終点までの標高差が100m。道はほぼ平坦で初心者でも安心して歩くことが出来ます。
 矢筈岳と、比叡山に挟まれ、ダイナミックに風景が変化することでも、大変人気があるコースで、終点が車道に繋がっているので、車で迎えにきてもらうこともできます。佐藤さんも一押しのコースです。
 朝九時に起点となる、ゆすなみ峠で準備体操、注意事項などのレクチャーを受け、いよいよ出発です。

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猪が歩き、土を掘り返して、石を落とすので、落石防止の柵が設けられています。

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鳥の羽がむしられた後。山の獣の仕業かな?

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玉ねぎの皮を剥いたような岩。

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人力で削った岩の間を歩きます。

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シダ植物も多いです。宇宙人の顔のようで面白い。

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自然治癒力で生きている杉の切り株。他の切り株は、全て枯れて腐れました。稀にこういうことがあるそうです。

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カメムシの大発生。塊となって、鞠のようです。何をしているのだろう?

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土と葉っぱの山道は、平坦でとても歩きやすい。

『矢筈癒しの森展望所』(2.5km地点)

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木々を抜けると、突如、爽快な景色が!左が、矢筈岳(666m)。右が、比叡山(918m)。間を流れるのが、綱の瀬川。
 大崩山、可愛岳、行縢山、茶臼山、比叡山、矢筈岳、丹助岳は、日本最大の環状岩脈で繋がっているそうです。およそ1500万年前に火山が噴火し、陥没して、巨大なカルデラができたそうですから、古代のロマンを感じます。

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矢筈岳の名は、矢をかける「ゆずる」に似ていることに由来します。西南戦争では、尾根沿いで官軍と西郷軍が戦いました。

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比叡山は、ロッククライミングの名所です。休日には、岩壁を登るクライマーの姿も見られるそうです。

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 矢筈癒しの森展望所では、瞑想をします。自分の呼吸を意識します。鳥のさえずり、川のせせらぎ、風の音。日常を忘れ、深い意識のなかで心を鎮めていきます。
 森林が与える精神的な安らぎを科学的にアプローチすると、スギやヒノキに多く含まれるフィトンチット成分が、自律神経に良い作用があると言われています。  「ストレスホルモン」の濃度が低くなるということも立証されています。
現代病ともいえる「うつ病」の改善や、不眠が治ったという話もあり、遠くから定期的に通っている方もいるそうです。

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日之影特産の柚子を使った、柚子ジュース、柚子のお菓子を食べて、また歩きます。

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森林の中にある、大岩も神秘的です。

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矢筈岳と、比叡山の岩壁がせまる道は、山深い県北でも、とても珍しい景色です。両岸の岩壁の波動がとても強いように感じます。

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比叡山を流れる細い滝。

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イワツツジ

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全長57mの矢筈第1トンネル。手彫りのトンネルで、コウモリもいるそうです。冒険心をくすぐられます。

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道沿いに、田畑がありました。昔は、民家もありましたが、現在は廃屋となっています。

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やぶ椿の群生や、不思議な石など、興味がたえません。

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全長70mの矢筈第2トンネル。不思議とラジオが使えます。
 
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終点が近くなっても、山登りにではないので、きつくありません。

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リンドウの花。もう、春ですね。

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12時過ぎにゴール♪佐藤さん、ありがとうございました!
帰りは知人に車で迎えにきてもらいました。
 
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そのまま車に乗って、中川地区のチューリップ畑へ。時期には少し早かったけど、遠くに矢筈岳と、比叡山を眺めることが出来ます。

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お弁当をいただきました。佐藤さんは、山菜料理の名人でもあります。アザミの炒め物、竹の子とあげ油の煮物、わらびの酢の物など、美味しくて元気が出ます。

佐藤令子さんよりメッセージ

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 季節によって、出会えるものが違います。葉っぱの色や、草花。色んな鳥のさえずり、カモシカに出会うこともあります。雨が降った後の、霧がたなびく山水画の世界もとても美しいです。
 私は、47歳と49歳のときに、脳梗塞で倒れて入院していましたが、山を歩いてすっかり元気になりました。
 癒しの森の案内人になって、一緒に歩いた人が、「私も元気になりました」と言ってくれて、とても嬉しい思いをしています。出会った人と、ハガキの交換などの交流をするのも楽しみの一つです。
 皆さんも、ぜひ、一度遊びに来て下さい。これからは、新緑が美しい季節となりますよ。


森林セラピー推進協議会
〒882-0402 宮崎県西臼杵郡日之影町大字岩井川3398番地の1   
TEL(0982)87-3900   FAX(0982)87-3911
http://www.hinokage.jp/therapy/index.shtml

(レポート 藤木哲朗)
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